2016年11月3日
上顎の奥歯の根の先には
上顎洞という大きな空洞があります。
そのため上顎の奥歯を抜いた場合は
インプラントを支えるだけの
垂直的な骨量が不足していることが多いのです。
骨量がわずかに不足しているだけであれば
低侵襲なソケットリフト等で
骨造成を行うだけでよいのですが
骨の厚みが4㎜以下しかないような場合は
サイナスリフトという治療法で
確実に上顎洞内に骨造成を行う必要があります。
超音波で骨切りができる
『ピエゾサージェリー』を使用し、
慎重に頬側から開窓し
シュナイダー膜を
上顎洞壁から破らないよう剥離し、
その隙間に骨補填材を充填。
文章にするとこのあたりのニュアンスが
伝わりにくいのですが
骨から卵の薄皮を剥がしていくような
イメージでしょうか。
サイナスリフトの開窓部には
隔壁があったり動脈があったりするため
オペ時間の短縮や術中のリスク減のためにも
術前のCT精査が重要となります。
下記の写真は
ここ最近当院でおこなったサイナスリフトの症例です。
術前と術後のCT断面図の比較を並べてみました。
術前①
術後①
術前②
術後②
術前③
術後③
術前と術後を比較すると
上顎洞内の骨造成の様子が見ていただけると思います。
通常サイナスリフトにより骨造成をおこなった場合
インプラント埋入までに
6ヶ月程度の待時期間を要しますが
骨幅や骨質などの条件が揃えば
術後③のようにサイナスリフトと同時に
インプラント埋入も可能です。
上顎の奥歯を抜いた後
骨の不足によりインプラントを
諦めている方がもしいらっしゃれば
1度当院に相談してみて下さい。
医療法人 筒井歯科クリニック
院長 筒井淳斗