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治療の歴史と雑感

前理事長:筒井 孝芳よりご挨拶

1981年7月に開院し、30年以上の月が経ちました。開院時に掲げた筒井歯科クリニックの診療理念、患者様に最新で最良の安全な治療を全力を尽くして行うことを常に心がけ、今日まで歯科診療を行ってまいりました。これからもより一層、研修・勉強等に研鑽して手技・手法の向上に努力するつもりであります。

ご挨拶として筒井歯科クリニックの治療の変遷を書かせて頂こうと思います。

筒井歯科クリニックは1981年にチェアー3台、スタッフ3名で開業しそれから15年間に7回の改築、増築をしてチェアーも11台になり現在に至っています。

インプラント治療について

まず最初にインプラント治療ですが、開業当時は現在の様に生体に対して、安全安心なインプラントは此だと言うものも無く、大学での研究もなく、色々な材質、形態等のものが不認可のまま施術され安全性にも疑問が問われるといった、試行錯誤の状態でした。

開業後まもなく、国内初の人工サファイアインプラント(京セラ製)が認可され、岡山で当医院が研修会場となって、認定研修会が開催されたのをきっかけに、人工サファイアインプラントを治療の一選択肢として導入しました。
その当時は金属製では無いので腐食もなく、骨に対して一番安全な製品であると確信していました。その当時に埋入した患者様が今現在も沢山おられることでも証明されます。しかし、人工サファイアインプラントには生体には安定しますが、骨結合しないという欠点があり、インプラントが隣接歯との連結で維持されるので、隣在歯牙の動揺やむし歯になると、保存不可能となることは明らかで、頻繁にメンテナンスをする必要がありましたが、定期検診に応じて頂ける患者様が少なかったのが事実でありました。

その当時、アメリカ・ハーバード大学歯学部がインプラント成功の規定(インプラントに関するハーバード憲章)を出していましたが、その中で口腔内に3年間安定維持機能すれば成功であるとされていました。(後に5年と改訂されました。)

1985年、アメリカの歯科学術誌の中でスウェーデン・イェテボリ大学のブローネマルク教授の純チタンと骨との親和性に関する論文に出会い衝撃をうけました。しかしその当時は日本国内での講演会、研修会等の機会が無く、情報を得る手段としては、海外の学術誌から得るのみという状況でした。

アメリカ・スタンフォード大学での研修

研修を受けたいと思う気持ちが日々増してきた時、アメリカ・スタンフォード大学に留学していた友人の紹介でスタンフォード大学医学部のドゥワイト・クラーク教授を紹介頂き、スタンフォード大学医学部アジアボランティアからの奨学金と研修援助を受けられる事になりました。アメリカにおけるその当時の最新のインプラント治療と研究を行っている歯科大学、歯学部を選出、その当時の最新のインプラント治療並びに歯周病治療の研修プログラムを計画して頂きました。
1985年、1986年、1987年の3年間4回にわたり、アメリカの各地の大学(サンフランシスコ・ロスアンジェルス・ボストン・ニューヨーク等)で著名な教授や著名な臨床歯科医の研修を受けさせて頂きました。全ての研修が素晴らしいものでありました。

私がアメリカで研修している期間は勤務医の先生とスタッフに全てを任せられた事は有り難いことで私にとって幸運なことであり、感謝に堪えないことでした。

研修の度に日本では当時、手に入らなかった器具・器械・インプラント関連材料を購入し日本に持ち帰りました。研修の中に、スウェーデンで開発中の純チタン製インプラント(ブローネマルク・インプラント)の研修も有りました。
現在では簡単に購入可能ですが、その当時、ブローネマルク・インプラントの器具・器械・インプラント関連材料の購入には認定講習を受け、インプラント手術室の完備が義務付けられていました。

1986年、診療所3階の一部を手術室に改築し、アメリカで購入した数種類のインプラントを父母の口腔内に埋入して経過を観察した結果、純チタン製インプラントの生体安定性の素晴らしさを実感しました。(協力してくれた両親には本当に感謝しています)

1988年にブローネマルク・インプラントシステムの認定研修を受講し、終了証を登録の後、手術室の認定検査も受け、無事合格しました。
認可されるまでは、IMZ・SCREW VENT・POI等のインプラントを施術していましたが、ブローネマルク・インプラントを本格的に開始、現在に至っています。

技術だけでなく、
設備も充実させた医院へ

1993年には、増改築を行い、3階にTDC口腔インプラントセンターを新設(個室診療室2台、手術室等)、2階診療室・技工室の増築と新器材を導入して、オールラウンドの歯科治療体制が整いました。

患者様には大変ご迷惑をおかけしましたが、増改築工事の為、余儀なく約3ヶ月休診をしている期間に、勤務医と歯科衛生士を連れて、インプラントと歯周病の研修と特訓の為、念願でありました、スウェーデン・イェテボリ大学歯周病科・リンデ教授の短期研修プログラムをスウェーデン・イェテボリ大学で受講することが出来ました。又、イェテボリ大学に隣接しているインプラントの聖地、ブローネマルク研究所も訪れることが出来、本当に私も筒井歯科のスタッフもそれまで以上に歯科治療のパワーアップの必要性を感じました。

インプラント治療を生体内で永く安定、成功に導く為には、あらゆる歯科治療(口腔外科、根管治療、歯周病治療、補綴治療、矯正治療、咬合治療・咬み合わせ等)と医科的知識の習得が必須であるとそれまで以上に実感し、疑問な事、新しい治療法の研修会を見つけては殆どの土曜日、日曜日は、研修・受講に奔走する様になっていました。
これからは今まで学んで研修してきた治療の集大成の時機と思っています。開業後、今日まで研修会等で出会い、勉強させて頂いた治療法、お世話になった恩師の先生を列記させて頂きます。


【口腔外科】

明海大学歯学部口腔外科学 故 山本 美朗 教授
藤本口腔外科 藤本 久夫 先生


【歯周病】

イェテボリ大学歯周病科 リンデ 教授(スウェーデン)
イェテボリ大学歯周病科 アクセルソン 教授(スウェーデン)
パシフィック歯科大学 DR.Wataru Odomo(アメリカ)
ペンシルバニア大学歯周病学 Morton Amsterdom 教授(アメリカ)
カリフォルニア大学サンフランシスコ校 H.Takahasi 臨床 教授(〃)
奥羽大学歯学部 岡本 浩 教授
明海大学歯学部歯周病学 宮田 隆 教授
筒井歯科クリニック 故 筒井 昌秀 先生
日本歯周病懇話会 小林 和一 先生
日本歯周病懇話会 清水 雅雪 先生


【咬合治療】

テンプレート療法 前原 潔 先生・玉置 敬一 先生
オーストリアナソロジー ウィーン大学 スラバチェック 教授(オーストリア)
シークエンシャル咬合 榊原デンタルラボ 榊原 功二 先生
TMJ理論(TMJ咬合器) メリル・メンソー 先生(アメリカ)


【補綴関係】

カミムラ歯科 故 上村 恭弘 先生
国際デンタルアカデミー 故 保母 須 弥也 先生
歯科河原英雄医院 河原 英雄 先生
医)健歯会 東小金井歯科 岩田 健男 先生
オーストリアナソロジー ウィーン大学 スラバチェック 教授(オーストリア)
くれなゐ塾  内藤 正裕 先生
アメリカ審美歯周インプラント補綴 Dennis. P. Tarnow 先生(アメリカ)
桜井式無痛デンチャー 桜井 唯一 先生・深水 皓三 先生
阿部歯科医院 阿部 二郎 先生


【矯正治療】

神奈川歯科大学矯正学 佐藤 貞雄 教授
普光江歯科 普光江 洋 先生


【根管治療】

大谷療法 大谷 満 先生
オピアン・キャリアメソッド 故 大津 晴弘 先生
JH法 平井 順 先生
3MIX?MP法 接着歯科協会


【インプラント】

明海大学歯学部口腔外科学 故 山本 美朗 教授
明海大学歯学部口腔外科学 河津 寛 臨床 教授
アメリカ研修時に手解き頂いたインプラント治療の第一人者の先生 
    Chales.A.Babbush 先生(アメリカ)
    Tomas Golec 先生(アメリカ)
    Robert Stieg 先生(アメリカ)
タフツ大学インプラント補綴学 Robert.J.Chapman 教授(アメリカ)
大口式インプラントOAMシステム 大口 弘 先生・鈴木 光雄 先生

等、既に他界された先生もおられますが、大変お世話になりました。いつもお教えを胸に日々診療に頑張っています。
そして、現在でも歯科治療は進化し続けていますので、常に新理論、新技法、新技術等の研修と体得の為、何歳になっても勉強は欠かせないと思っています。

新体制の筒井歯科クリニックへ

平成21年より、長男、筒井 淳斗が筒井歯科クリニックに跡継ぎとして加わり、平成24年には診療室をリニューアルし、新技術・新治療法・新治療機器の導入等、ヤングパワー全開で筒井歯科クリニックを今まで以上にパワーアップすべく頑張ってくれています。
8年間で私の知識と技術は吸収されてしまい、新技術・新技法等は教えを請うように成ってしまいました。嬉しくもあり、寂しくもあり...。

そして平成26年4月より筒井歯科医院は、「医療法人 筒井歯科クリニック」として生まれ変わりました。それに伴い、診療曜日を月曜日から土曜日まで、診療時間を朝9:00~夜19:00までに変更し、より患者様に寄り添った治療をご提供できるようになりました。
開院以来、当医院に勤務してくれた、勤務医、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士、受付、秘書、事務等全てのスタッフのお蔭で現在の筒井歯科クリニックが存続しています。

最後に皆様へ

開院以来現在までに関わってくれた当医院のスタッフ並びに各業者の方、そして当医院に御来院頂いた全ての患者様に心からお礼申し上げますと共に、患者様第一を考えた最新で、最良の安全な診療をモットーに、益々の技術向上の為の努力して行くつもりですので、これからも筒井歯科クリニックを宜しくお願い申し上げます。

岡山市北区・筒井歯科クリニック・筒井歯科の歴史

前理事長紹介

岡山市北区・筒井歯科クリニック・前理事長・筒井 孝芳

理事長筒井 孝芳Takayoshi Tsutsui

  • 歯学博士
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医・指導医
  • 厚生労働省指定臨床指導医
  • A.Oアクティブメンバー

略歴

1977年 城西歯科大学(現 明海大学歯学部)卒業
1977年 片山歯科歯学研究所・口腔予防医学センター(大阪)に勤務
1978年 明海大学歯学部口腔微生物学講座研究科研究生となり、若年性 歯周病起因菌(Actinobacillus actinomycetemcomitans)の研究を始める
1979年 片山歯科歯学研究所・口腔予防医学センター医長に就任
1981年 片山歯科歯学研究所・口腔予防医学センター退職
1981年 岡山市にて開業(筒井歯科医院)
1983年 大津晴弘先生に師事オピアン キャリア メソッドを習得・治療開始
1985年 スタンフォード大学医学部 Dr.Dwight Clark 教授の紹介により、カリフォルニア大学歯学部サンフランシスコ校、パシフィック大学歯学部にて歯周治療、2Piece-インプラント法の研修、研修終了証授与(サンフランシスコ)
1986年 IMZインプラントのアメリカでの第一人者Dr.Charls A. Bab -bush、ステリオス・インプラントの第一人者Dr.Thomas Golecに師事、オッセオインテグレイテッド・インプラントの研修、研修終了証授与(ロスアンゼルス)
1987年 スタンフォード大学医学部 Dr.Dwight Clark 教授の紹介により、ハーバード大学歯学部(インプラント外科手術)、タフツ大 学歯学部(インプラント補綴学)の短期研修プログラムに出席、研修終了証授与(ボストン)
1988年 学位受領(歯学博士)明海大学 『Actinobacillus actinomycetemcomitans Y-4株リポ多糖体のマウスインターロイキン-1産生とインドメタシンによる産生促進効果』
1988年 オッセオインテグレイテッド・インプラント ブローネマルク システムの認定研修プログラムに出席、研修終了証授与
1991年 桜井式無痛デンチャー治療開始
1992年 テンプレート全身療法の研修を終え、指導医に認定される
1992年 岡山市歯科医師会の要請で、台湾国立陽明医学院歯学部にて講演感謝状授与 演題「日本におけるオッセオインテグレイテッドインプラントの流れと現在」
1993年 筒井歯科クリニック増築工事終了、3FにTDC口腔インプラントセンターを新設(個室特診治療室・口腔外科・インプラントオぺ室・相談室)と2F診療室・技工室の増築と新器材の導入で新治療体制にはいる
1994年 RET根管治療法開始
1994年 歯科矯正治療開始
1994年 明海大学歯学部同窓会学術講演会にて講演
演題「①Implant 治療における今日の流れと個人個性固有咬合 ②臼歯部咬合メインテナンスによる全身療法」
1995年 NPO日本テンプレート研究会岡山事務局を設立
1996年 3Mix-MP法(抗菌剤による無痛治療)治療を開始(日本接着歯学会の研修会受講)
1996年 ウィーン大学歯学部のオーストリア咬合学の導入
CADIAXの使用で生理的機能咬合再構成の咬合分析が科学的に診査、分析出来るようになり、テンプレート全身療法・非抜歯矯正治療・シークウェンシャル咬合(順次離開誘導咬合)補綴との併用治療で顎関節症等の咬合構築治療を開始(Dr.普光江担当主任)
1997年 Academy Of Osseointegration 【A.O.】(U.S.A.) (インプラント骨結合学会)のActive Memberとして承認される
1998年 オーストリア・ウィーン大学スラバチェック教授に師事、「Mastercours 1 in Malocclussion」のプログラムに出席、研修終了証授与(オーストリア・ウィーン、ザルツカーマングート)
1999年 日本顎咬合学会にて「咬み合わせ」認定医・指導医に認定される
2005年 歯科医師研修指導医を厚生労働省より認定される
2006年 歯科医師卒後研修施設に厚生労働省より指定される(研修施設番号 0515015号)
2009年 O.A.Mインプラントシステムの導入・施術開始
2012年 sincrestによるソケットリフト施術開始
2013年 LASkit, CASkitによるサイナスリフト、ソケットリフト施術開始
2014年 医療法人筒井歯科クリニック設立

所属学会

  • 日本顎咬合学会
  • 日本歯科医学教育学会
  • NPO日本テンプレート研究会
  • 日本接着歯学会
  • A.O.(USA)アクティブメンバー
  • I.A.A国際審美学会
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